ファン・デル・チーペン社銘板

九州鉄道記念館戸畑分館(121)

ファン・デル・チーペン(Van der Zypen)社はドイツの車両会社で、明治22年(1889年)12月11日開通の九州鉄道に客車を納入したことで知られています。現在、埼玉県の鉄道博物館に保存されている2号御料車もチーペン社によるものです。この銘板は九州鉄道開通翌年の明治23年(1890年)のものです。この年、18両の客車が新製されていますので、そのうちの1両と思われます。当時、九州鉄道の技師はドイツ人のヘルマン・ルムシュッテルでしたので、機関車や客車や資材の多くはドイツ本国から輸入されていました。また、組み立ては小倉製作所で行ったと記録があります。この銘板は小倉製作所で組み立てた時につけれたものと言われています。下一桁の漢数字が入れ替え可能であるところが、九鐵小倉製作所の銘板の特徴の一つです。